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昨年は新作アルバム「ネイキッド・ライド・ホーム」(02年)発表にともなうツアーで来日したジャクソン・ブラウンが、わずか1年の間隔をおいてまたやって来た。しかも今回は本邦初のジャクソンただ一人によるアコースティックのライブである。昨年のライブで非常に感激した身であり、また一人の演奏ということは曲目も毎日変わってくると予測されるので大阪公演チケットを2日間取ってこの日を待った。ちなみに席は、27日は2階席の前から2列目、28日は1階席の前から2列目である。まず2日間の全体的な印象を述べ、それからそれぞれの日についての感想を付け加えたいと思う。
会場の大阪厚生年金会館は収容人数が1100人と昨年のフェスティバルホールの半分以下の人数であり、一人で演奏するにはこれくらいの大きさの会場が適当なのかもしれない。 ステージの中央には大きなジュウタンが敷かれ、その上にはピアノが1台、そして後ろには14本くらいのアコースティック・ギターがズラッと並んでいるのが印象的だ。50代半ばであるジャクソンだけあってファンもそれなりの年齢の人が目につく。しかし私のような20代後半くらいの人間も少なくない。明らかに10代という人はいないが、子どもを連れてきている家族もいた。
19時を少し回ってジャクソンが一人で現れる。わかってはいるがこんな極東の地で一人で演奏するというのはやはり目の前に彼が現れるまではちょっと信じられない。しかももっと驚くのは、演奏曲目を考えていないというのだ(MCでそう言っていたらしい)。ときおり客席から曲目をリクエストされたら、何度かそれに応じてギターを持ち替えたり、またギターを戻してピアノに座ったりしてそれに応じながら、正味2時間半のステージができあがっていくという調子である。
などと簡単に書いてしまったけれど、冷静に考えてみればこれはとんでもない話である。いちいち客のリクエストに答えて演奏するためには膨大な曲のストックを用意しておかなければならない。ただ一人というライブ形式だからごまかしも効かない。歌詞を忘れて歌い直す部分もあったけれど、おおむね進行がスムーズにされていたのは彼のミュージシャンとしての力量の大きさを垣間見た気がする。またネットで見つけた今回のライブの感想では彼の人柄を称える書き込みが多かった。英語もろくに通じない国だろうが本国アメリカだろうが、手抜きをしない誠実な姿勢を多くのファンは感じたといえよう。
長い時間にわたっての一人のアコースティック・ライブというのは、バンド形式と比べればずっと地味な印象を与えることは否定できない。“Pretender”や“Running
On Empty”など起伏や勢いのある曲は絶対にバンドの方が良いに違いない。しかしその点を差し引いても今回のライブはそれ以上の満足を聴き手に与える内容のものと確信している。それは下にある大阪2日間の演奏曲目を眺めてもらえるだけで十分だろう。新作アルバム発売におけるツアーでは絶対に実現しない内容である。しかも大阪2日間のおいて両日とも演奏した曲はわずか8曲!である。ボブ・ディランも日替わりで演奏曲目や順番が変わるけれどここまで極端なケースは思い付かない。最後にネットで拾った曲目とそれぞれの日の感想を少し書いておく。
〔4月27日の演奏曲目〕
(1)The Barricades Of Heaven
(2)Looking Into You
(3)The Road And The Sky
(4)For America
(5)Here Comes Those Tears Again
(6)Alive In The World
(7)Somebody's Baby
(8)These Days
(9)Late For The Sky
(10)I'm A Live
(11)The Crow On The Cradle
(12)Cocaine
(13)Too Many Angels
(14)Running On Empty
<20分の休憩>
(15)For Everyman
(16)Jamaica Say You Will
(17)Farther On
(18)Sleep's Dark And Silent Gate
(19)Your Bright Baby Blues
(20)Linda Paloma
(21)Before The Deluge
(22)Doctor My Eyes /About My Imagination
(23)Shaky Town
(24)Poor Poor Pitiful Me (ウォーレン・ジヴォンのカバー)
(25)Mohammed's Radio (ウォーレン・ジヴォンのカバー)
(26)Sky Blue And Black
(“Call It A Loan”を演奏するが途中で止める)
(27)My Stunning Mystery Companion
(28)Take It Easy
<アンコール>
(29)The Pretender
昨年のツアーでも思ったことだがやたら騒々しい観客が必ず存在する。2階席にいた私の後方では、複数で来た連中が演奏中もベラベラしゃべるし、むやみに歓声をあげるしで気分が悪かった(休憩が終わったら連中はなぜか消えていたが・・・)。ジャクソンに対するリクエスト攻勢もちょっと激しいもので、そのためか最後の方で“Call
It A Loan”の演奏を途中で止める場面もあったし、あまり観客のマナーが良かったとはいえないだろう。しかしながら演奏した曲についてはは貴重というしかない。“The
Road And The Sky”“Cocaine”“Shaky Town”などはもう二度と聴くことはできないような気もする。また、去年ガンで亡くなったウォーレン・ジヴォンの代表曲“Poor
Poor Pitiful Me”を聴けたのも良い思い出である。
〔4月28日の演奏曲目〕
(1)The Night Inside Me
(2)Song For Adam
(3) For A Dancer
(4) Mutineer(ウォーレン・ジヴォンのカバー)
(5)Something Fine
(6) World In Motion
(7)Sergio Leone
(8) Linda Paloma
(9)The Naked Ride Home
(10)Rosie
(11)Rock Me On The Water
<20分の休憩>
(12)For Everyman
(13)Somebody's Baby
(14)I Thought I Was A Child
(15)In The Shape Of A Heart
(16)Call It A Loan
(17)Fountain Of Sorrow
(18)Farther On
(19)Looking East
(20)These Days
(21)The Pretender
(22)Take It Easy
<アンコール1>
(23)Running On Empty
<アンコール2>
(24)The Load-out /Stay
昨日とはうって変わって前半はリクエストがほとんどなく、おかげでジャクソンも淡々とセットをこなしているという感じの印象で非常に雰囲気は良かった。連日で来た人がいることも配慮したためか、昨日とダブっている曲は8曲しかなかった。私のように2日とも来た人間としては大満足という言葉しかない。またアンコールの“Running
On Empty”そして“The Load-out /Stay ”は非常に盛り上がった。特に“The Load-out /Stay ”はジャクソン一人では寂しい印象を与えるのではと勝手に心配したけれど、拍手や合唱によって会場の熱は最高潮に達して大阪公演は終了したのはとても良かったと思う。
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